E(環境)の取り組み内容
ENVIRONMENT

ハウスコムは、主な事業である住まいのサービスは、環境問題と無関係ではいられないものであると受け止めており、地球の温暖化や資源問題を意識した企業活動を行ってきました。

特に気候変動とエネルギーの問題は、住宅市場ニーズの動向や店舗の運営など当社の経営面にも大きな影響をもたらす重要な課題につながると認識しており、脱炭素社会の実現に向けた一助となるよう、経営者・各店舗・本社部門・グループ企業が一体となって、活動のさらなる深化を目指しています。

ハウスコムの環境への取り組み

ハウスコムでは、2013年から、環境保全を意識した具体的な活動をスタートしました。
現在、不動産業界そのものの温室効果ガスおよび二酸化炭素の排出については、他業種に比べて比較的低い水準にあると言える状況です。

ハウスコムは不動産業に属している企業の中の1社であり、例えば製造業における工場や、電気・ガス・熱供給・水道業における発電所や浄水場のような大規模な事業所を持つわけではありません。よって、排出する温室効果ガスは、事業における主たる作業である店舗/オフィスでの事務・手続きや物件案内に伴う移動によるものに留まります。
こうした中、当社では改めて環境保全という観点から業務を見直し、実効性があると見込めることから順次改善に取り組んでおります。具体的には、店舗運営や各業務の中から、特に温室効果ガスの抑制・削減につながること、資源消費量の抑制につながること、産業廃棄物の削減や適切な処理につながることです。
実施状況については、例えば、照明のLED電球への切り替えは、交換対象となるものについては全数完了しています。また、営業車両のエコカーへの切り替え、店舗の再生可能エネルギーを利用した電力会社への順次見直し・切り替えも実施中です。
設備面だけではなく、業務の面においても、基幹業務システムをクラウド化することによる電力使用量の削減や、「オンラインでの接客(オンライン内見やIT重説の活用、申込手続きや更新手続きの電子化等)」を整備・推進することによる紙資源の低減やお客様の必要以上の移動に伴うエネルギー使用量の低減につなげています。
具体的な取り組み例とその効果の関係は、以下の通りとなります。

(図表2) ハウスコムが取り組んでいる主な環境行動と見込まれる効果

図:ハウスコムが取り組んでいる主な環境行動と見込まれる効果

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各取り組みを行ってきた効果に関して、集計を開始した2014年度から2019年度までの年間の温室ガス排出量は、売上高原単位では約37%減少しています。2020年度については、リフォーム事業拡大に伴う廃棄物の増加や店舗の移転・リニューアルに伴う家具の廃棄、コロナ禍に伴う感染対策設備の発送などといった要因により売上高原単位・総量とも大幅に増加してしまいましたが、今後は、特に恒常的となる要因に対して、さらなる見直しと切り替えを進めていきます。

(図表3) ハウスコム 温室効果ガス排出量 総量と売上高原単位(排出量/営業収益)の推移<連結>

図:ハウスコム 温室効果ガス排出量 総量と売上高原単位(排出量/営業収益)の推移<連結>

(当社にて作成)

気候変動への対応

ハウスコムは、気候変動の問題は、今後、当社のあらゆる領域(賃貸住宅に求められる要素、住環境のニーズ、仲介業務のありかた/求められる要件、その他企業としてのあり方など)において、リスクと機会になりうると捉えています。

特に事業面においてはさまざまな可能性があると想定しており、例えば、リスクであれば、将来的に気候変動が著しく進むことで今とは異なる気象環境が常態化した場合、地域ごとの居住ニーズにも影響が及ぼされ、店舗の撤退・再編を余儀なくされるような事態の発生などが考えられます。また、機会であれば、低炭素住宅に焦点を当てた物件プロモーションや低炭素住宅化切替促進に伴う法制度の変更に適合する物件リフォーム・修繕関連サービスの開発販売といった新たな収益獲得チャンスの発生を見込んでいます。

ハウスコムでは、気候変動が事業および財務に与えるリスクと機会の分析を行いながら、企業として継続・発展していくための対応策を検討しています。詳細に関しては、順次、本ホームページで開示していく予定です。

図:機会とリスク

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環境に配慮した取り組み事例

ハウスコムは環境にやさしい企業をめざして環境経営に取り組んでいます。
また、環境省の推進する、CO2などの温室効果ガス排出量削減のために、地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」をしていこうという取り組み「COOL CHOICE」に賛同しています。

全店舗照明のLED化の実施

当社では、かねてより各店舗の照明を蛍光灯からLED電灯へと変更し、店舗の新規オープンや移転時を活用しながら照明のLED化を積極的に進めてきました。ただLED化を行うのではなく、当初設置していた製品よりさらに最新型の製品の導入を進めたりと常に見直しを行うことによって、はるかに省エネ効果が向上し、以前の製品と比べ最新の製品では約44%の節電が可能となっています。
現在、当社全店舗で照明のLED化が完了し、年間の電力使用量の大幅な削減が期待できます。

再生可能エネルギーへの切替

当社では、2020年度より電力に着目して再生可能エネルギーを導入しています。発電・売電等の事業活動は行っていませんので、各店舗が使用している電力供給会社を、より再生可能エネルギーを使用している会社に切り替えることで再生可能エネルギーの活用・二酸化炭素排出量の軽減を図っています。

2021年7月末時点で、電力供給会社切替可能店舗73店舗のうち、34店舗の切替が完了しており、残りの店舗につきましても順次切替しております。
また、73店舗を再生可能エネルギーに切り替えることにより、493.6t-co2の二酸化炭素排出量を削減することができます。これは当社年間排出量の約27%に該当します。

電子契約の導入によるペーパーレスの推進

当社ではお部屋の契約手続きの際、従来はすべて紙に印刷した書面で契約の締結をしていましたが、2019年度より、更新契約において電子契約を導入しています。
電子契約では、契約書面と署名依頼のメールを賃借人様・賃貸人様のスマートフォンやPCに送信し、画面上で電子署名を行っていただきます。署名後はダウンロード用URLを利用すること(ダウンロード期限あり)で簡単に契約書面をダウンロードすることができます。
また、電子スタンプが押されているPDF自体が原本となりますので、ダウンロードさえしておけば紙での保管は不要、いつでも閲覧することができます。これにより、大幅な紙資源の削減を期待できます。
あわせて、帳票のシステム化や、会議資料のペーパーレス化をおこなうことでも削減に寄与しています。

現在、年間約1.7万件の更新契約があり、電子契約導入後、約50%の更新契約が電子契約となっております。

エコカーの導入

当社では、主にお部屋さがしをされているお客様をお部屋までご案内する際に社用車を使用しております。全店舗においてほぼ毎日使用する社用車ですので、燃費性能に優れたハイブリッド車の導入を進めています。従来のガソリン車に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、その他窒素酸化物や粒子状物質(PM)等に有害物質の排出も低く抑えることができます。